ホゲットは、ラムより濃厚でマトンより柔らかい
食欲の秋ですな。
季節の味を求めさまようワシに、懇意にしておる山本地域振興局よりお誘いの電話が。
「佐々木さん、明日のお昼、藤里町のサフォーク白神でお待ちしております」
「うむ」とは言ったもののサフォーク白神って何かね?なワシは早速ネットで検索。
なにやら、藤里町の素波里湖(すばりこ)というダム湖のほとりにある「ふるさと自然公園素波里国民休養地・素波里園地」内にあるサフォークの館という施設にある農家レストランの事のようじゃ。
ほう、食い物のお誘いじゃな。行かねばなりますまい。
「で、今日は何を馳走してもらえるのかのう?」
「ホゲットです」
と言って出されたのが、一見するとジンギスカン鍋のようなセット。
ここで説明しよう。
ホゲットとは、ズバリ羊の肉の事なのじゃ。
羊肉といえば一般的に良く知られているのが「ラム」と「マトン」
ラムというのが生後12ヶ月未満、マトンというのが生後18ヶ月以上の羊の肉の事で、この「ホゲット」というのはその中間の12ヶ月〜18ヶ月の羊の肉の呼び名らしいんじゃよ。
ただ、例えばアメリカなどではホゲットもマトンも一緒くたにマトンと呼ばれていたりして、また18ヶ月ではなく24ヶ月だったりと地域によって規格が違ったりして、その辺が広く知られていない要因でもあるそうなんじゃと。
ラムよりも生育期間(手をかける期間)が長く、反面マトンみたいに手放しで育てるわけにもいかないと、なにやら手間がかかるらしくお値段は決して安くないらしい。一般にもホゲットとしてはほとんど出回っていないみたいじゃね。
それでもわざわざホゲットと呼ぶのは、つまりこの羊肉がウマイからに他ならないんじゃろう。
ラムはクセがなく柔らかいが、やや淡白で羊肉の深い旨味に欠ける面があり、一方マトンは羊肉本来の濃厚な旨味はあるが、同時に臭みと肉が硬いというデメリットもある。
ホゲットはその中間、柔らかく旨味の乗った程よい頃合の肉質であるという事らしいのじゃよ。
あわせて説明すると、サフォークというのは羊の種類でイングランド産の「サフォーク種」という顔と足が黒いタイプのパンダみたいな?羊の事なのじゃ。
ここ藤里町で育てたサフォーク羊のホゲットを食べられるのがこの「農家レストラン サフォーク白神」なのじゃよ。
サフォークのホゲットを食べられるお店は全国でも数少ないそうじゃよ。
で、そのホゲット定食を、レストランの外にある屋外スペースで湖畔を眺めながら頂いた訳じゃよ。
渇水期で湖畔の表情は芳しくなかったが、水量が多いと奥に見える駒ヶ岳が逆さ富士のように湖面に移り非常に綺麗なんじゃと。
ホゲット肉は確かにマトンのあの独特な臭いがなく、またマトンより柔らかくて食べやすい印象じゃった。
脂がクドくないと言えばいいのかのう。
ジンギスカンとか食べてるとだんだん重くなってくるじゃろ?
そのカンジがあまりないので最後まで飽きずに食べられるんじゃよ。
ホゲットの他に季節の山菜などで作ったお漬物や小鉢なども並び、藤里の山の幸を楽しめる定食となっておる。
お値段は2,000円〜で3日前以上の完全予約制。
営業時間は昼11:00~と夕方16:00~
冬季は雪のため休業との事じゃから、この連休や紅葉のハシリの時期にぜひ行ってみてくだされ。
農家レストラン サフォーク白神
山本郡藤里町粕毛字南鹿瀬内38-1 TEL 0185-79-1571
素波里湖畔の素波里国民休養地(素波里園地)内にありますぞ。途中道が少しややこしいので気をつけてくだされ。